聖なる夜と鈴の音。

世間はもうすぐクリスマス。
皆さんはクリスマスの思い出はありますか?


子どもの頃、目を覚ますと枕元にはラッピングされたプレゼントが置かれていました。
毎年楽しみにサンタクロースを待っていた私は、何としてでもプレゼントを持ってきてくれるその姿を見たくて、ベッドの中で頑張って目を開けて起きていたのを覚えています。
けれどその姿を見ることはなく、いつのまにかプレゼントも枕元から消えていきました。


今思えば、もちろんそれは両親がしてくれていた事で、姿を見られないように私がちゃんと眠っているのを確認してからこっそりと置いてくれていたのだと思います。


しかし、一度だけ不思議なクリスマスがありました。
自分の部屋で眠っていたとき、ふと夜中に目が覚めたのです。
上半身を起こし、ぼーっとしていると何か音が聞こえてきました。
なんだろう?とカーテンを開けて窓越しに外を見ても誰もいません。
ベッドから飛び出して、両親が眠っているかを確かめに行っても二人はぐっすりと眠っていて、何か物音を立てている様子もありませんでした。


また自分の部屋に戻ると、さっきは遠くから聞こえていた音が少しずつ近付いていました。
シャンシャンシャン…
澄んだ鈴の音が聞こえ、その音が大きくなってくると強い眠気に襲われて、気が付くと眠りについていました。
そしてそれからすぐ起きたと思ったら、もう外は明るくなり完全に朝になっていたのです。


枕元にはプレゼントが置いてあり、結局サンタクロースの姿はその年も見る事はありませんでした。
そしてその翌年からプレゼントが置かれる事は無くなり、その不思議な鈴の音を聞いたのが最後の年となりました。


きっとあれはただの夢で、実際は何も無かったのだと思います。
けれどサンタクロースと別れを告げるその歳に、姿を見せられない代わりに音だけでも、とサンタクロースが最後に私に残してくれたプレゼントだったのかもしれません。


そんな気持ちをくれたサンタクロースが今でも大好きで、大切に想っています。
これから先いつか逢う事が出来たら、そんな記憶に残る優しく素敵な想い出を私にプレゼントしてくれてありがとう。
そう、伝えたいです。

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